気温に関係なく脇の下に異常に汗をかく場合、シャツがびっしょり濡れるほどの汗染みができたり周囲に分かるほど脇汗の臭いが発せられて、それが気になって対人関係に支障をきたすことがあります。
このように脇の下に異常に汗をかく場合には、脇多汗症(腋窩多汗症;えきかたかんしょう)という疾患の可能性があります。
脇多汗症を含み多汗症は、健康保険が適用される治療法もある疾患で、適切に対処することで症状がかなり改善できると言われています。
今回の記事では、脇多汗症の症状や対策・治療について簡潔に書きます。
脇の多汗症の症状
脇の下に大量に汗をかく場合には、「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」の可能性があります。
腋窩多汗症の主な症状としては、以下が挙げられます。
・ストレスを感じたときに脇の下に大量に汗をかく
・ストレスに関係なく、いつも脇の下に大量に汗をかく
・蒸し暑い時期で体感温度が高くなると汗の量がさらに多くなる
・多汗症に伴う発汗と通常の温熱発汗の相互作用で非常に発汗量が多くなる
腋窩多汗症の場合、衣服の脇の部分に広範囲の汗染みができて、不快なワキガ(腋臭)を発しやすく、それが原因で対人関係に消極的になってしまう場合もあります。
脇の多汗症 対策
吸水能力と消臭作用の高い高機能な脇汗パッドを使用して、こまめに取り換えることで或る程度の対策ができます。
また、脇汗対策の市販品として、クリームタイプやパウダータイプなどの制汗商品が多数あります。
症状が軽い場合には、このような市販品もお勧めす。
ですが、ある程度症状が強い場合には、皮膚科などを受診して、以下のような治療を検討してみることをお勧めします。
脇の多汗症 治療
(塩化アルミニウム外用)
塩化アルミニウムの20~50%水溶液を患部(手のひら)に塗って、就寝する
布などに塩化アルミニウム水溶液を染み込ませて、その上からカバーして密封する密閉療法が効果的
治療は、数カ月~数年、継続的に行う
肌荒れのリスクがある
(マイクロウェーブ療法)
電磁波を脇の下に照射して、汗腺の組織を破壊することによって汗が出ないようにする
治療を受けると、半永久的な効果がある
基本的にリスクはない
(反転剪除法)
ワキガの手術法としても知られており、脇の下の皮膚のアポクリン汗腺を目視で切除する
アポクリン汗腺の取り残しが多いと手術の効果が低くなるので、時間をかけて丁寧な手術を行ってくれる医師(病院)を探すことが重要です。
手術した後に、若い人などはアポクリン汗腺が再度できる場合がある(再度の手術可能)
目立たない程度の手術跡が残る
(ボトックス注射)
ボツリヌス毒素を脇の下に注射する
治療は、半年に1回
注射するときの痛みが強く、しびれが残ることもある
(交感神経遮断手術)
手術によって胸部交感神経を遮断(切断)する
最初の手術で片側(利き腕側など)を手術し、1年ほど様子を見てから残りの側を手術する
背中、胸、太ももなど、他の部位からの発汗量が異常に増える「代償性発汗」の副作用が出る場合が多い
(心理療法)
自律神経の働きをコントロールする訓練(バイオフィードバック療法など)を行う
精神的な要因が強い場合には効果的
治療は、数カ月
まとめ
上記のように、脇多汗症(腋窩多汗症)の治療としては、塩化アルミニウム外用、マイクロウェーブ療法、反転剪除法、ボトックス注射、交感神経遮断手術、心理療法などがあります。
副作用のある治療法もあるので、治療する場合には、十分に医師と相談してから行うことが大切です。
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