お盆になると、お墓やお仏壇のお掃除、お供えやお墓参り、迎え火や送り火などをして、ご先祖様や亡くなった家族をお迎えします。
お供え物として、キュウリの馬とナスの牛をお供えする場合も多いと思います。
でも、お盆にキュウリの馬とナスの牛をお供えするのはどうしてでしょうか?
今回の記事では、キュウリの馬とナスの牛をお供えする意味についてお子さんでも分かり易く簡潔に書きます。
お盆のお供え きゅうりとなすなのはなぜ?
お盆にお供えする「きゅうりの馬」と「なすの牛」ですが、これは精霊馬(しょうりょううま)と言います。
では、どうしてキュウリとナスなのかというと、お盆の時期は夏場なので、夏に収穫される旬の美味しい野菜をご先祖様にお供えするという意味があるようです。
たしかに、ご先祖様の身になってみれば、日頃、夏場に食べていた野菜のお供えは、久しぶりに家に帰ってきて生前を懐かしむには、とてもいいものかもしれません。
お盆のお供え 馬と牛なのはなぜ?
では、どうして「馬」と「牛」なのでしょうか。
昔の人にとって、馬と牛はとても身近な動物でした。
馬は、荷物を運んだり人を乗せて移動したりするのに利用されましたし、牛は田んぼや畑を耕したり荷物を運んだり、ときには人を乗せるのに利用されました。
また、牛や馬のふんは、田んぼや畑の良い肥料になりました。
ですので、昔の人は、牛や馬を家族のように大切にして、世話をしました。
このように牛や馬は昔の人にとって身近で大切な動物だったので、お盆にご先祖様があの世とこの世の家を行き来する乗り物として牛と馬をみたてたと言われています。
ではどうして、キュウリの方が馬でナスビの方が牛かというと、キュウリの方がスマートな馬にふさわしく、ナスビの方がデップリとした牛にふさわしかったからでしょう。
ちなみに、ご先祖様があの世からこの世に帰ってくるときにはキュウリの馬(足の速い馬)に乗って早く家に帰ってきてもらい、あの世のお戻りになるときにはナスの牛(足の遅い牛)に乗ってお土産を積んでゆっくり景色を楽しみながら帰ってもらうと一般に言われています。
(キュウリの馬とナスの牛のお供えの作り方)
①キュウリに割りばしを4本刺して、足を4本つける
②ナスビに割りばしを4本刺して、足を4本付ける
キュウリやナスビは曲がった形のものを使うと、躍動感が出てかわいらしくなります。
足になる割りばしの長さによって、感じが変わってきます。
③トウモロコシの毛があれば、爪楊枝などを使ってお尻のところに毛を突き刺して、牛や馬のしっぽにすると可愛いです。
キュウリやナスにはトゲがあることがあるので、お子さんと作るときには注意してあげましょう。
お盆のお供えの意味 まとめると
いろいろ書きましたが、お盆にお供えする「きゅうりの馬」と「なすの牛」の意味を簡単にまとめると、「ご先祖様がこの世に帰ってくるお盆には、その時期に採れるナスやキュウリの旬の野菜を使って、身近な動物だった牛と馬をご先祖様の乗り物にみたてて「きゅうりの馬」と「なすの牛」をお供え物としてお供えした」ということになります。
余談ですが、なすときゅうりのお供え物は、お盆が終わった後、昔は川や海へ流したり土へ埋めるなどしていましたが、今はそうもいかない場合が多いので半紙などで包んだり塩で清めた後に捨てるとよいとされています。
まとめ
いかがだったでしょうか?「きゅうりの馬」と「なすの牛」のお供え物も、その意味を知っていると、なんだかご先祖様が身近に感じられてとても安らかな気持ちになります。
ご先祖様や亡くなったご家族がお盆にキュウリの馬に乗って家に帰って来て、ナスビの牛に乗ってあの世に帰ると思うと、少し口元が緩んで暖かい気持ちになりますね。