気温に関係なく手に異常に汗をかく場合、仕事や勉強に悪影響を及ぼしたり、人にどう思われるか神経質になって対人関係に支障をきたすことがあります。
このように手に異常に汗をかく場合には、手掌多汗症という疾患の可能性があります。
手掌多汗症を含み多汗症は、健康保険が適用される治療法もある疾患で、適切に対処することで症状がかなり改善できると言われています。
今回の記事では、手掌多汗症の症状や対策・治療について書きます。
多汗症 手の場合の症状
手のひらに大量に汗をかく場合には、「手掌多汗症」の可能性があります。
手掌多汗症の主な症状としては、以下が挙げられます。
・幼少期や思春期に発症することが多い
・ストレスを感じたときに手のひらに大量に汗をかく
・ストレスに関係なく、いつも手のひらに大量に汗をかく
・手のひらから汗の滴が流れるほど異常な量の汗をかく
・蒸し暑い時期で体感温度が高くなると汗の量がさらに多くなる
・睡眠中は症状がない
手掌多汗症の症状レベル
(レベル1)
湿っている程度。見た目には分かりにくいが、触ると汗ばんでいることが分かる。水滴ができるほどではないが、汗がキラキラと光って見える。
(レベル2)
水滴ができているのが見た目にもはっきりと分かる。常に濡れている状態だが、汗が流れ落ちるところまではいかない。
(レベル3)
水滴ができて、汗がしたたり落ちる。汗溜まりができる。
手の多汗症 対策
手汗対策の市販品として、クリームタイプやパウダータイプの制汗商品が多数あります。
症状が軽い場合には、このような市販品もお勧めす。
ですが、ある程度症状が強い場合には、皮膚科などを受診して、以下のような治療を検討してみることをお勧めします。
手の多汗症 治療
(塩化アルミニウム外用)
塩化アルミニウムの20~50%水溶液を患部(手のひら)に塗って、就寝する
布手袋に塩化アルミニウム水溶液を染み込ませて、その上からゴム手袋をする密閉療法が効果的
治療は、数カ月~数年、継続的に行う
肌荒れのリスクがある
(イオントフォレーシス)
週2回程度通院して、20分間ほど専用器具に手を浸して弱い電流を流すことで、汗孔の数を減らしていく
治療は、数カ月~1年程度、継続的に行う
治療中に痛みを感じる場合があり、火傷のようになることもある
(ボトックス注射)
ボツリヌス毒素を手のひらに注射する
治療は、半年に1回
注射するときの痛みが強く、しびれが残ることもある
(交感神経遮断手術)
手術によって胸部交感神経を遮断(切断)する
最初の手術で片側(利き腕など)を手術し、1年ほど様子を見てから残りの側を手術する
背中、胸、太ももなど、他の部位からの発汗量が異常に増える「代償性発汗」の副作用が出る場合が多い
(心理療法)
自律神経の働きをコントロールする訓練(バイオフィードバック療法など)を行う
精神的な要因が強い場合には効果的
治療は、数カ月
まとめ
上記のように、手掌多汗症の治療としては、塩化アルミニウム外用、イオントフォレーシス、ボトックス注射、交感神経遮断手術、心理療法などがあります。
副作用のある治療法もあるので、治療する場合には、十分に医師と相談してから行うことが大切です。
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